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    金融関連相談の進化

    • 2017.10.21 Saturday
    • 13:27

    一昨年頃から、よく「フィンテック」という言葉を耳にするようになり、メディアでも採り上げられています。これは米国発祥の造語で、金融(finance・ファイナンス)と技術(technology・テクノロジー)を合わせた新語です。金融関連事業サービスにIT技術・情報を導入して、新たな利便性や販売効率などを高めた金融サービスのことです。リーマンショックを契機に、スマートフォンでの決済や資産運用、ビッグデータの情報活用、人工知能(AI)などの最新IT技術を駆使した金融サービスが生まれ、フィンテック革命と言われています。


    この分野への投資額は世界で2.4兆円を超えると言われ、日本でもメガバンクや大手IT企業が事業化に向け、続々と投資しています。それに伴いファンドも続々と組成されており、最近のニュースでは、生命保険会社とIT大手企業が商品開発やサービス、顧客の選択など含め提携しています。
    今後も金融関係分野全般の合理化や販売サービスに様々な形で導入されるでしょう。フィンテックで先行する米国では、決済、送金、不正監視、口座管理などで新しいサービスが続々と登場しており、人工知能が資産運用に関して助言し、ポートフォリオや商品の選択、販売するというところまで進んでいます。

     

    現在利用されているフィンテックとして身近なところでは、スマホでの小口の決済や送金、スマホやPCでの家計管理など、日本では数社が提供しています。また、企業の入出金から財務会計・経営相談、与信や融資等もあります。人工知能(AI)を使った資産運用アドバイス・投資商品サービスは、日本でも今年から始まり、現在会員が11万人超と人気が高いようです。このほか、出資者や融資者をインターネットで募る資金調達などなど…。金融機関では、投資の助言や資産運用をAIに置き換える「ロボアドバイザー」サービスの導入により、電話応答、運用、マーケティング、不正調査などの作業も自動化されるなど、金融機関の業務のAI化が少しずつ進み始めています。

     

    また、ビックデータやAIは、顧客情報の分析・管理、融資の与信や融資の判断、保険商品などの選択と加入の可否判断などにも活用されています。ある週刊誌では、保険分野ではより効率よく保険商品を売るために、顧客の選別などがより厳しくなり、保険難民が発生するとまで予測しています。
    フィンテックサービスや技術はIT企業などの金融業界の参入で、一段と競争が激化されることが予想されますが、顧客側にとっては、低コストで様々な付加価値の高いサービスをPCやスマホで簡易に受けることができるようになります。

     

    FPの相談では、家計やローンの相談、金融資産運用や投資の相談、生命保険の相談などは主に面談で行われます。いずれにしても相談者にとっては面談時に開示する家計の状況・資産データの準備など、大変な労力と手間がかかり、煩わしさがあります。それがフィンテックサービスでは、自分一人で気軽にスマホやPCに希望や質問、データなどを入力すると最適な商品やサービスが選択できるようになっているので、非常に簡単で便利です。現在の金融関係のFP相談もフィンテックサービスに取って代わると考えている方が多いと思います。

     

    先日テレビで、教師を置かない数学の学習塾が紹介されていました。教材はPCタブレット一つ、AI(人工知能を活用した)学習システムによるものでした。学習効率は高く、教師による授業の5分の1以下の時間で生徒はマスターするそうです。では教師は全く必要ないかというと、そうではなく、学習の必要性や目標の設定など、創造性や新発想などといった思考については教師にしか導けないそうです。

     

    FPにも同じようなことが言えます。FPは表面的にはお金の段取りに関する相談ですが、このお金の段取りは生活設計・人生設計にもつながります。そして、相談(面談)では、相談者の定性的情報(顧客の感情や性格や趣向・生活環境)を加味しながら、将来の生活設計(ライフプラン)を基軸に、そのお金の必要性や目的・目標を定めて対策や運用等を相談者と一緒になって実行していくものです。つまり、FPの相談はフィンテック技術による金融商品等の相談サービスとは似て非なるものであり、顧客満足度からすると面談の方が効果は高いといえます。

     

    ところで、生活満足度は収入に比例して高くなるというのが当然のようですが、幸福感については、年収300万円位から750万円までは、年収に比例するが750万円を超えると比例しなくなる、という米国での調査結果もあります。
    幸福感・安心感は人生の継続的な満足感だといえます。幸福感の構成要因は経済的なもののほかに、仕事関係、人間関係、身体的、地域社会、自己実現の幸福感等に分けられます。幸福感を得る要素としては、ポジティブな感性、社会や個人とのエンゲージメント(他人との関係・愛情や感謝・支援など)、人生の価値、意義、意味、目的、目標と意識の集中、達成感等があげられます。

     

    FPの相談では、顧客が幸福感を感じるようなメンタル的なアドバイスも行うことができます。またFPの相談姿勢が、顧客と同じ目先のお金や商品の選択ではなく、長期の生活設計を考慮して対策や提案をすることで差別化できます。
    フィンテックによる相談サービスや商品の販売は、使用されるソフトの作成姿勢が問題です。いくら優秀な人工知能が導入されていても、そのソフトが顧客第一主義の姿勢で作成されているか、企業の利益本位で作成されていないか、注意が必要です。

     

    FP側も、手軽にお客様がFPに相談できる機会を広げる必要があります。

     

    土 屋 拝

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