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    「先を知るほうが安心? 知らないほうがしあわせ? 」

    • 2009.07.25 Saturday
    • 11:33
    「先を知るほうが安心? 知らないほうがしあわせ? 」

    先日ある方からの相談で、FPプランニングを行いました。
    通常私たちFPは、顧客の目の前にある問題を解決したあと、もしくは解決しながら、あるいはその問題の解決のために顧客の状況を傾聴しながら、同時に長期のライフプランもたてることが必要だと思っています。

    しかし、その長期計画にあたって、顧客に現状をお話しするかしないかは十人十様だと考えています。
    ガンの告知も最近は以前と異なり、本人への告知は一般的となりつつありますが、それはガンに対する認識が変わってきたことや、病気に負けずに立ち向かっていこうとする人が増えたからとも言えます。これまでガンが本人に不告知とされていたのは、ガンが不治の病であり、せめて精神的な負担や不安を持たずに安らかに逝ってほしいという家族やお医者さんの願いがこもっていたからです。

    ところが、当の本人の気持ちは、大きく二つに分かれます。
    一つは、そんなこと聞きたくない、知らせないでそっとしておいてほしいというもの。
    もう一つは、残された人生、残された時間、精一杯自分の力を発揮し、悔いは残したくないから、必ず知らせてほしいというものです。

    皆さんだったらどちらを選択しますか?
    私は後者でありたいと思いますが、いざその時にならなければ、なかなか決心はつかないかもしれません。


    「宿命と運命は違う」
    昔から、人間の宿命は変えられなくても、運命は変えられると言われています。
    宿命の代表的なものは、どこの国のどの親の元に生まれたか、男女、性別、生年月日といったもので、いわゆるFPの世界でいう絶対情報です。もうすでに宿っているものです。

    一方、運命は運んでいく命ですから、自分自身で運んで道を切り開いていく人もいれば、他人におんぶにだっこですべて運命のせいにしている人もいます。どちらを選択するかは本人の自由です。

    運命は、積極的な気持ちを持つことで、色々な変化をもたらすことがあるようです。
    最近ではガンを克服した例をよく耳にするようになりました。
    どんなときでも前向きな気持ちは大切だと思います。


    「お金以外に何を伝えるかが大事」
    少し話は横にそれましたが、FPもプランニング結果と現状をお客様に伝えることが、本当に顧客に安心感を提供することになるのか・・・・、いつも迷うところがあります。

    それは顧客のライフプラン(キャッシュフロー分析等)が必ずしも、顧客の安心する結果を生み出すとは限らないからです。

    少々昔の話ですが、ある10人足らずの町工場で、工員の方々に面談し情報を収集してライフプランニングをすることになりました。ご多分にもれずキャッシュフロー分析を行い、無神経にも一人に1時間以上も時間を掛けて一所懸命説明して、なんだか分かりませんが鬼の首を取ったように勝ち誇って、気分も良く意気揚々と仕事を終えました。

    それから数日たって、その工場の経営者から電話があり
    「工員みんなが何となく元気がなく、やる気もなくなったような気がする」
    「どうも先日の(ライフプラン)相談に原因があるんじゃないか?」
    「一体どんな話をしたのか?」という内容でした。

    よく考えると、まだ現状のキャッシュフロー分析の段階で、
    「このまま行くとこのような感じです」
    「単純にこのまま行けばこのようになりますから節約していきましょう」
    という、金銭面についてだけの
    現状分析の説明とアドバイスをしていたのです。

    相談を受けるまでは、工員の方々は
    「我慢して頑張れば、やる気を出せば、夢は叶える!豊かになれる!」
    と考えていたのです。
    しかしこの相談を受け、定年まで勤めたときの生活資金収支の予測を目の当たりにして、愕然としたのです。ここでいくら頑張ってもこの程度か、とあきらめを感じた方が多かったのです。

    相談を受けた方々の職業柄を考えると、夢のような将来の収入増は、その時点では見込めなかったのも事実ですが、当時はバブルの崩壊後すぐの頃ですから、ダメージは一層大きかったようです。
    お金さえあれば幸せになれると単純に信じていた工員さんたちにとって、キャッシュフロー分析の効果は良くも悪くも絶大なものでした。

    分析結果の告知がマイナスの方向に働き、相談業務としては意味がなかったと言えます。


    「夢や目標・目的・可能性などを伝えることが大事」
    問題を解決することで、不安を解消し、本人や家族が明るく楽しく積極的に生活できるようにするのが、本来のFPの相談業務の目的です。このときの大失敗は「お金の収支だけが人生ではないこと」を伝えることができなかったことや、FPとして最も重要な業務である「顧客の目標や目的づくりの大切さ」をお客様に伝えなかったことです。
    その意味で、その人達のいままでの活き活きした生活や仕事を殺してしまったのかもしれません。

    その後の相談業務では、分析結果などをそのお客様が受け入れることができるかどうか、対策が打てるかどうか、改善することができるかどうか、また、改善の可能性がほとんどない場合などはそのお客様にそれを伝えるべきかどうかを、お客様の考え方や価値観などを相対的に考慮し、真剣に判断する必要性があることを痛感して取り組むようになりました。
    そして、少しでも改善の可能性があれば、それを追求するために告知をして、不安を取り除き、積極的に前に進めるように、目的や目標を設定しなければなりませんが、そのためには、顧客を説得する力や伝え方の工夫が必要です。

    これがガンの告知に似たところではないでしょうか?

       土屋拝

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