安心感や豊かさの価値はお金を超える

  • 2017.07.20 Thursday
  • 11:58

梅雨の晴れ間はもう夏空、子ども達の夏休みも間近となりました。
皆さんお元気でお過ごしでしょうか?

 

最近では、テレビでもお金などの専門家としてFPがよく顔を出すようになっています。以前、夜たまたまテレビを見ていると、FPの3人が出演して、住宅取得や老後資金などについてコメントをしていました。それなりのコメントをされていたと思います。
老後資金についてのコメントでは、「3,000万円以上必要か?」との問いに対して、3人とも必要だと答えましたが、そのうちの一人藤川氏は「1,000万円でも大丈夫です」というコメントを追加されました。F氏は相談現場での経験が豊富な方です。出演した3人中でも最も経験豊富で、現場をよくご存じなのは、F氏だったのではないかと思います。

 

ところで、このようにFPの意見が分かれたのはなぜでしょうか? 元々、メディアなどが問いかけてくる質問では、顧客の個別の条件まではほとんど考慮しません。よくある話ですが、「ボーナス50万円が出たとしたら、どんな運用が一番いいでしょうか ?」といった顧客の条件は抜きにした質問に対する答えは、利回りランキングとならざるを得ないのです。なので、老後を迎えるにあたり「3,000万円以上」という一般的で平均値みたいな答えに“○”を出したとしても当然だといえます。

 

しかし、現実の世界では、定年退職時に住宅ローンの支払いが残っていたり、退職金が1,000万円も出ないといった世帯も多いものです。老後を迎えるにあたって、3,000万円を超える預貯金(金融資産)を蓄えることができる家庭は多くはありません。むしろ少ないと言えるでしょう。例えば、中小企業などにお勤め方でお子さんが複数おられるご家庭では、定年退職時に3,000万円という目標はほとんど不可能に近いものだと思います。

 

ですが世の中には、預貯金が1,000万円以下であっても日々楽しく、人生を豊かに暮らしていらっしゃるご家庭はたくさんあります。目標は高い方が良いのですが、届かない目標に不安をかかえながら、将来の準備のために今の生活を我慢して毎日を送ることが、豊かな暮らしだと果たして言えるのでしょうか?

 

ここではっきり言えることは、個別の家庭の事情を考慮することがFPのプランニングの特徴だということです。つまり、FPのプランニングはその家庭の生活に適したお金の計算であるということです。その意味で、FPはチャレンジ可能な目標を提案する必要があります。

無理をすると、「FPに将来を相談したのに、かえって今の生活の不安と将来についての不安が益々大きくなった」、「いっそのこと相談しなければ良かった」「知らない方が楽しかった」などと言われるケースが多くなります。

 

FPは安心感の提供
FP相談の現場では、そのお客様にとっての生活の豊かさや安心感の閾(いき)値(ち)(レベル・領域)、価値観をはかる必要が生じます。それに応じてプランニングするか、場合によっては価値観の変更を提案することも、お客様に安心感・豊かさを感じてもらうためには必要です。
この安心という言葉の意味ですが、辞書には「心をほかに配る(くばる)ことがないこと・心配しないこと」とあります。その分目標や目的に向かって一心に進んでいける、心が安らかでいられる状態になるということです。

安心の安という字は“うかんむり”に“おんな”と書きます。うかんむりは屋根又はおおい、屋根をかぶせた家を表す象形文字で、家の中とも解釈できます。その下に女ですから、家庭の中に女性がいて心配がない状態、くつろいでいる精神状態を表しているといえます。もしかしたら、胎児が母親のお腹の中ですくすくと成長し、精神的に安定している様子を表しているのかもしれません。また、女性(母親)のそばで子どもたちや男性が心が安寧な状態を表しているのかもしれませんね。

 

FPはゆたかさの提供
また、私たちは「豊かさ」という言葉もよく使います。
「豊」という字は「ほう」「ゆたか」と読みますが、意味としては、山盛りである、たっぷりとして量が多い、ふっくらとした、作物が実っていつもよりたくさんある、量やかさを増やす、みちたらせるなどの様子を表す形容詞です。
また、「豊」の解字を見てみると、△型に実った穂を描いた象形文字「山+豆(たかつき)+手がふたつ」の会意兼形声文字となっています。
豆(まめへん)は、「たかつき」という食物やお供え物を乗せる器のことを表しています。よく仏壇などの両側にお供えのせるために置いてある台のことです。豆は穀物の名前でもあり、その形状から小さいことやまじめなことを表す言葉に使われています。「あの人はこまめな方」などよく耳にします。

このように、「豊」という字は、たかつきの上に山盛り△型をなすように穀物を盛った状態を示すことから、「豊かさ」とは、本来は必要な物が十分にある、多いことを意味しています。

 

その「豊かさ」を私たちは個人の五感 (見る、聞く,嗅ぐ、味わう、触れる)で感じ、それまでの経験や知識・知恵・考え方などで推し量り、心が最終的にゆたかさを感じるのです。ですから、「ゆたかさ」が人の価値観や感じ方・考え方によって人それぞれ変化するのは当たり前のことになります。

アフリカに行けば、水道の蛇口をひねって水が出ることだけで素晴らしい暮らしだと「ゆたかさ」を感じることができる人がいれば、日本の暮らしではそれは当たり前のことだと、ゆたかさを感じない人もいます。ただそれが無くなったとき、多くの人が「あれは豊かなことだったなぁ」と気が付きます。

 

どちらにしても、安心感やゆたかさを感じて生きて、生活していくのは、自分自身に他なりません。だから個別の状況に合わせていくことが大切なのです。

 

同じような言葉は他にもあります。「富」はいっぱい詰まっていること表し、「裕」はゆとりがあることを表します。ですが「ゆたかさ」は、心にゆとりができる、暮らしに必要な物やその道具のお金などが一定以上の量が揃うことを言います。心に一定以上のゆとりができれば、自分自身だけを見るのではなく、周りの人々のことや社会のこと、将来も考えられるようになります。これを心の豊かさといいます。

 

安心感や豊かさの価値はお金を超える
安心感やゆたかさについての価値観は千差万別、お金という秤では量りきれない場合もたくさんあります。例えば私が命にかかわる不治の病にかかり、その特効薬が見つかったとします。その薬の値段は無制限に上がったり下がったりするでしょう。そのとき、私の全財産が100万円だとしたら100万円を出すでしょう。また10億円持っていたら10億円を出すでしょう。
このように誰でも命は惜しいものです。命をなくすことはその存在が無くなるということです。当然お金も使えなくなりますから、命には無限の価値があります。従って、安心感やゆたかさの価値観はお金を超えていくものです。

 

FPの仕事の目的は、目の前ではライフプランを主軸として顧客の財務(お金)を担当し、顧客の悩みや問題の解決と将来の目標の達成に役に立つことですが、本質的には、顧客に安心感やゆたかさ、心のゆとりを提供していくことです。この本質を目的とする価値観をもって、FP業務や他の仕事を行う限りは、お金はそれなりに形は変化してでも、安心感やゆたかさの提供の対価として、必ず入ってくるものです。自信を持ってFP感覚で仕事に励みましょう。

 

FPの本質は、顧客になり代わり、それまでに身につけたFPの全知識と知恵で顧客のライフプランを考え、財務的に顧客の希望や目標を成就させるところにあります。それがFPでいうところの商品(プラン)なのです。
その商品で収益をあげようとすれば、なおさらFP感覚での仕事観が必要です。また、ライフプランに実際必要な様々な商品、金融関連・保険関連商品、資産運用関連の商品、不動産関連商品なども、創意工夫すればFPの収益にも繋がります。

 

以前にもお話ししたことがありますが、私たちは太陽と地球から生きていく環境と命を与えられ、いただいています。ですから私たちは、何事も自分から先に他の人に与えたとしても、損にはならないのです。人の行動や意志は良くても悪くても、かたちや時期は変わっても、必ず自分に帰ってくるといいます。
「与えよ、さらば与えられん」ですね。さぁ、がんばりましょう。

                                                                                            土 屋 拝

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