意志を伝える

  • 2016.08.25 Thursday
  • 16:03

以前、FPビジネスについてお話する機会があり、FP協会の会員の方々に聴講していただきました。

皆さんもご存じのように、これだけ多岐にわたる業界の方々が参画している資格団体(NPO法人)は他にないと思われます。

 

今年8月現在、一般会員も含め約19万人超に昇る会員の構成は、いわゆる企業系といわれる証券・銀行系、生損保、不動産、組合系の方々が約7割強を占めています。そして、士業資格者等(税理士他・生保代理店含む)が1割強、主婦その他が1割弱、学生他が7%弱となっています。独立系FPやFP会社などのFP専業はわずか1%弱の1,500人前後で、そこからFP教育関係を差し引くと、独立系FPは多くても500人前後だと推察されます。そのなかでFP本来のビジネスで業をなしている純然たる独立系の人は? というと、おそらく100人に届くかどうかといったところでしょう。


FP資格を導入している業界と言えば、個人の生活に関わる金融・保険・資産関係の業界です。このような業界の企業系の方々については、FP知識やFP手法を活かして営業等に効果が出ているようです。また、資格者自身の生活や社内での相対的なスキルアップなど、直接的にも間接的にも役に立っているようです。FP資格による潜在的効果が上がることで、その業界(自社商品)の売上げやサービス向上などにつながっています。

 

FPの定義にあるように、ファイナンシャル・プランナーとは「顧客の収入や資産・負債など、顧客に対するあらゆるデータを集め、要望や希望・目標を聞き、現状を分析したうえで、それに基づいて顧客のライフプラン上の目標を達成するために、必要に応じて弁護士、税理士等の専門家の協力を得ながら、貯蓄計画、保険・投資対策、税金対策など包括的な顧客の資産設計を立案し、併せてその実行の手助けを行う専門家」とされています。

FPに参画している業界はここに記されている業界です。これらの業界では、顧客の人生設計や生活設計(FP業務)、資産設計に必要な商品やサービス等を具体的な商品としてすでに世の中に提供していますから、FP感覚で顧客の生活に合わせて最適なものを提供すればいいので、効果は早く現れます。

 

顧客にしてみれば、生活の安心感を得るためには、保険が必要だから保険メーカーや代理店等に行けばよい、また、お金を借りたり貯めたり運用するのであれば、銀行や証券関係に行けばよいと理解しています。元来、あらゆる業界の商品やサービスは生活に必ず必要なものばかりで、人々の役に立っているものなのです。それぞれの業種で目前の具体的な目的の違いはありますが(いい車を作ることで社会と国民生活の利便性を高め社会に貢献する等々)、本来の目的は共通しており、哲学的に言えば、個人の生活や暮らしに安心感や安らぎ、幸せを提供することです。

 

話を元に戻すと、企業系FPが提供する商品やサービスは、顧客から見てわかりやすく、その商品の目的がはっきりしています。その点で企業系のほうが効果が現れやすいのです。士業系の場合は、ご自分の士業にFP感覚をプラスすることで、ビジネスに多少のプラスアルファが見込めますし、また、顧客からすると士業系はその業務や目的がはっきりしています。
それに対し、独立系FPの業務は幅広くお金に関する全ての分野に及びます。そのため、顧客側からみると、FPに相談できる内容も仕事の内容も分かりにくく、どんなことを相談してよいのかよくわからないとも言われます。その意味では、もっとFPの仕事(業務内容)を告知、宣伝する必要があります。

 

また、FPはライフプランのなかで次のような位置づけをされています。
「生活・人生の中での経済(お金・資産)分野がファイナンシャル・プラン(マネープラン)の世界。生きがいを中心にしたライフプラン(目的)を実現するための手段としてファイナンシャル・プランがある。」
しかしながら、FPの定義にしても、マネープランにしても、お客様にとっては抽象的で分かりにくいものです。ビジネスにするためには、もっとわかりやすくFPの仕事、理念や目的を伝えなければなりません。

 

わたしも昔はよく周りの人から「FPって何ですか? 一体何をするんですか?」と尋ねられたものです。そこで、冒頭のセミナーのなかで聴講されているFPの方々に「皆さんは、お客様から問われたときどのように答えておられますか?」とお尋ねしました。ほとんどの方が「そう言われてみれば、よく分からない」と困ったような様子で、自信を持って答えられそうな方は少数しか見受けられませんでした。

私もFPを始めた頃は、お客様とのやり取りで、「金融わかる? はい!分かります。」「保険は? はい!わかります。」「不動産は? はい!わかります。」「税金は、一般的なことは分かります。……」と、あれも分かるこれも分かると、いろいろ説明すれば説明するほど、かえってお客様に不信感を抱かれてしまいました。

そこで考え出したのが、次のような図です。

すべての仕事の目的を哲学的に突き詰めていくとみんな一緒。潜在的には、人生・生活の豊かさや、安心感・安らぎ・幸せ感の提供となります。そのなかでのFPの果たす役割や目的を、私たちFPはお客様に対して明確に伝えなければなりません。

 

1.FPの仕事の目的は?
 屬客様のお金や財務を担当し、お金を通じて人生や生活に安心感・安らぎ・幸せ感を提供する仕事です」
◆屬客様の人生・生活に関わる財務やお金に関する相談やプランで、豊かさや安心感を提供します」
「お客様のライフプランに沿って、お金や財務の対策やプランを立て、将来に豊かさや安心感を提供します」

2.FPとはどんな仕事をするのですか?
「個人の暮らしに必要な家計(お金)や資産(財産)に関わることは、すべてFPの仕事(業務)の対象となります。生活資金に関わること(教育、住宅、老後、保険・税金等)、資産に関わること(金融・不動産や相続等の広範囲な分野)を対象とし、お客さまのライフプランに沿った、お金や資産の相談・対策・将来計画(プラン)・実行などの業務を行い、安心感や豊かさを提供する仕事です」

 

FPは、顧客の経済的基礎条件をもとに、顧客の生活の要望にあった最適な商品やサービスを探求します。言い方を変えると、お金の使い方(運用・資金繰り)の探求です。そのことにより顧客に安心感や豊かさを提供します。
その意味で、FPは将来のお金や資産を計算し、資金等のプラスをもって、生活等の不安を取り除き、安心感や豊かさや希望を提供していくものです。


つまり、ファイナンシャル・プランナーの役割は、お金や資産というものを数字で表すことにより安心感や豊かさを表現していくこと、それ自体がFPの商品なのです。この商品は、顧客が希望する、需要も多いなかなかの商品なのですが、FP側も顧客側もその商品価値を分かっていないのが現実です。
一方、生活経済に必要なFP関連業界(金融・不動産・住宅・教育・老後・保険・証券等々)の商品やサービスは、お客様にとって直接的で分かりやすいものです。FPが導入された業界では多少なりとも売上げ等に貢献しているようです。また最近では、FP自身もこれらの業界の商品等を随分と取扱いできるようになり、FPビジネスの収益のプラスアルファにもなっています。
しかしながらFPとしては、そのお客様の経済的諸条件や将来のライフプランにあった各業界の最適な商品やサービスの選択が最優先となります。

 

FPの仕事の目的や業務内容が社会に認知されれば、需要は無限大にあります。FPがビジネスとして成り立ちます。
皆さんも、FPの仕事は? FPは何する人? と問われたら、是非前述の例のごとく答えてみられてはいかがでしょうか。一般の人が聞いて理解できればいいと思います。また、もっと良い説明があれば色々教えてください。
今はまだ、顧客探しが大変ですが、FPビジネスは気持ちがいい仕事です。頑張っていきましょう。

 

土屋拝

Check

PR

calendar

S M T W T F S
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031   
<< August 2016 >>

selected entries

categories

archives

recommend

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM